田中信昭先生のレッスンを振り返る

宝山ホールでの田中先生のレッスンの覚書

○ポイント○
・少しでもはずれた音程があると雑音になる。
・すべての人が音程を合わせると、クリアで美しい音になる。
・音程を合わせるためには、「見る」こと。
・「見る」ことで音が聞こえてくる。
・逆に指揮者ではなく、お客様を「見る」ことで気が伝わる。

【「紅葉」の練習から】

前奏のピアノ…
すてきなピアノでしょう? だから、よく聞いてみましょう。
ゆったりと流れて来る水の面を赤や黄色の葉っぱが流れて
いくさまになっているよね? だから、その歌にして。

歌いだし「秋の夕日に」…音程が悪い。低くなるので気をつけて。

今、出している音をよく聞いて。いち音いち音の音程が悪い。
最初の音が合っていたとしても、今の出している音を気を抜かない。

そうやって気をつけると、音がすぐに変わるでしょう?
変わったときの音はとてもきれい。
それは物理現象で、宇宙が決めたことなの。

どんなにいい声の人が歌っていたとしても、音が合っていないと
汚くなるものなの。

ピアノの鍵盤をいっぺんにばあーんっと弾いたらどんな音になるか、
知ってる? テレビの放送が終わると、白い画面でしゃーっと音がする
でしょう(砂嵐)? あの音になるの。白い音。白色雑音。

絵の具を全部まぜると、どういう色になると思う?
真っ黒になるでしょう?

だけど、丸い円盤に赤橙黄緑青藍紫、赤橙黄緑青藍紫ってのせて、
円盤をぐるっとまわしてみると、白くなるの。
舞台で赤のライト、黄色のライト、青のライト、いろんな
色のライトを当てると、白くなる。

だから、みなさんがちょっとはずれた音、少し高い音、だいぶはずれた
音をそれぞれに出すと、しゃーっと白い雑音になるんです。

(ソプラノ、最後の「ああーあああ」のところで)
これはどういう歌ですか? そういう歌ですか?
私には嘆いているように聞こえるんですけど。
最後の音程の悪い人が嘆きに音楽に変えちゃってますよ。

みんなピアノを見て。
見ると聞こえてくるでしょ?

オーケストラなんかを聞いていても、ひとりひとりの音は埋没している
ように思えるけど、ある人に注目すると、
その人の音が聞こえてくるでしょ? それと同じ。

見ると、よく聞こえてくるものなの

逆に伝えようと思っている人を見て歌っているときと、
見ないで歌っているときは届き方が違うんですよね。

横断歩道でたくさん人がいる中で知り合いを見つけて
どうしても呼び止めたいとき、一心にその人を「見て」
声をかけるでしょ?
見て言うと、その人に「気が行く」のね。
だから、その人は「気が付く」わけです。

演奏はお客に向かって「言う」わけ。

よく指揮者を必死で見て、一糸乱れずやっているけど、
(そういう演奏は)お客はぜんぜん置いてけぼりなの。
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by flugelchor | 2006-08-27 08:33 | 音楽雑記
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